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幼稚園のビオトープ

幼稚園からの依頼で空いているスペースに子供達が自然と触れ合える場所を造って欲しいとの相談がありました。
ビオトープとは「生き物の住む場所」という意味ですが、小さな池が一つあるだけで、生物の数、ニッチの数は膨大に増えます。
ここ横浜、鎌倉付近でも子供達が水辺の動植物に触れ合う機会はとても少ないとの事で、メダカやトンボ、やカエルが集まる池を中心としたビオトープを造る事になりました。
大きな穴を掘り、丈夫な防水シートを2重で敷き、美濃石を据え周囲には洗い出しの園路と枕木の橋。
水は近くのパーゴラの屋根から雨水タンクを設置し、瓦で水路を造りました。
池の形もなるべく曲線、でこぼことした形で整え、見た目も自然な素朴な雰囲気が出る様に石を据え、こだわりました。
季節感が味わえる様、在来種の木々をはじめ、みかん類やベリー類を植栽し、園児が収穫を味わえる様に考えました。
またメンテナンスの事も考え、底には土ではなく砂利を敷き、水生植物も直植えでなく、鉢に入れておく事によって根域を制限し、限られた池の大きさで繁茂しすぎないようにしています。
ポンプなど循環機器を一切使わない事で、機器のトラブルは心配なく、また池の水質は基本的に年に1〜2回の清掃と足し水のみで、池の中のバクテリア類を含む生態系で維持できるような仕組みを造りました。
年数が過ぎて、様々な動物、昆虫が集まるビオトープの中で園児が走り回る光景が目に映ります。